2026年7月24日の日本株市場で、シリコンスタジオ〈3907〉の株価が大きく動きました。
終値は1,110円で、前日比56円高、上昇率は5.31%でした。
一時は1,350円まで上昇し、前日終値1,054円と比べて約28%高となりましたが、その後は売りに押され、上げ幅を大きく縮小しています。
始値は1,044円、安値は964円、出来高は316万9,500株でした。
この値動きは、AI関連企業としての期待が意識された可能性がある一方、直近の業績は下方修正されています。
本記事では、テーマへの期待と実際の業績を分けて確認します。
※本記事は2026年7月24日時点の公開情報をもとに作成しています。
シリコンスタジオとは
シリコンスタジオは、ゲームや映像制作に利用されるコンピューターグラフィックス技術、ゲーム開発支援、人材紹介などを手掛ける企業です。
近年は、現実の機械やロボットの動作を仮想空間上で再現する「フィジカルAI」やシミュレーション技術にも取り組んでいます。
2026年5月には、フィジカルAIシミュレーション基盤事業を本格的に始動すると発表し、AI関連企業として市場から注目されました。
一時1,350円まで急騰
7月24日は1,044円で取引を開始し、寄り付き後には964円まで下落しました。
その後、急速に買いが入り、午前11時20分に1,350円まで上昇しました。
しかし、高値を付けた後は売りが増え、終値は1,110円まで押し戻されています。
高値から終値まで240円下落しているため、買いの強さだけでなく、高値圏で利益確定売りが多かったこともうかがえます。
当日の急騰理由は断定できない
記事作成時点では、7月24日に新たな大型受注や業績上方修正が発表された事実は確認できませんでした。
そのため、今回の値動きについては、
- フィジカルAI関連としての継続的な物色
- AI関連小型株への短期資金流入
- 株価ランキングを見た投資家の追随買い
- 空売りの買い戻し
などが考えられます。
ただし、これらは会社が公表した株価上昇理由ではなく、推測です。
直近では業績予想を下方修正
シリコンスタジオは7月13日、2026年11月期の業績予想を修正しました。
通期の経常損益予想は、従来の1億2,100万円の黒字から、1億9,800万円の赤字へ下方修正されています。
第2四半期累計の売上高は19億900万円で前年同期比13.8%減、経常損益は1億8,500万円の赤字でした。
売上高予想も従来計画から7.4%引き下げられ、42億3,100万円となる見通しです。
主な要因として、3DCG映像制作案件の原価見積もりを再評価した影響などが示されています。
したがって、7月24日の株価上昇は、直近の業績改善を直接評価したものとは考えにくい状況です。
AI関連の期待と業績は別に考える
フィジカルAIは、ロボットや自動運転機器などに現実世界の状況を認識・判断させる技術として注目されています。
シリコンスタジオのCGやシミュレーション技術が、この分野で活用される可能性はあります。
しかし、新しい事業を始めたことと、直ちに大きな利益を得られることは同じではありません。
今後は次の点を確認する必要があります。
- フィジカルAI関連の具体的な受注額
- 顧客企業数
- 実証実験から商用契約への移行
- 既存の開発支援事業の採算
- 赤字案件の再発防止
- 下方修正後の業績計画を達成できるか
今後の注目点
1,350円を再び超えられるか
7月24日の高値1,350円は、短期的に売りが増えた価格帯として意識される可能性があります。
ただし、これは企業価値から算出した目標株価ではなく、当日の取引上の節目にすぎません。
高値から押し戻された点
終値は1,110円で、高値1,350円から約18%下落しています。
一時的な買いが強かった一方で、高値では売却したい投資家も多かったと考えられます。
翌営業日以降、出来高が減少しながら株価も下がる場合、短期物色が一巡した可能性があります。
業績下方修正後の進捗
今後の決算では、修正後の赤字予想からさらに悪化しないかを確認する必要があります。
テーマ株としての人気よりも、実際の受注と利益率の改善が重要です。
注意したいリスク
業績とテーマ性の乖離
AI関連として注目されても、直近の業績は赤字予想です。
市場の期待が先行した場合、業績の裏付けが確認できなければ、株価が急速に下落することがあります。
値動きが非常に大きい
7月24日は安値964円から高値1,350円まで、1日の中で約40%の値幅がありました。
短期間で大きな利益が出る可能性がある一方、買うタイミングによっては大きな損失になる危険もあります。
制作案件の採算リスク
ゲームやCG制作では、開発期間の長期化や追加作業によって、想定以上に原価が増加することがあります。
今回の業績修正でも、案件の原価見積もり再評価が影響しています。
今後も案件管理が改善されなければ、利益が不安定になる可能性があります。
まとめ
シリコンスタジオ株は2026年7月24日、一時1,350円まで上昇しましたが、終値は1,110円となり、上げ幅を大きく縮小しました。
AIやフィジカルAI関連として注目された可能性がありますが、当日の上昇に直結する新たな会社発表は確認できませんでした。
また、会社は7月13日に通期業績を黒字予想から赤字予想へ下方修正しています。
AI関連というテーマだけで判断せず、具体的な受注、案件の採算、赤字縮小を継続して確認したいと思います。