教科書・教材で知られる新興出版社啓林館グループが飲食事業へ進出しました。100%子会社のHiRAKUが2026年8月25日、東京・麻布十番に「麻布十番 うどん割烹 ぼけかす」をオープン。8月26日19時15分にORICON NEWSでも取り上げられ注目されています。関西の「かすうどん」と出汁を中心にした店舗です。
教科書出版社グループが「うどん割烹」
学校の教科書や問題集で名前を見たことがある人も多い「啓林館」が、意外な分野へ進出しました。
新興出版社啓林館の100%子会社である株式会社HiRAKUは2026年8月25日、東京・麻布十番に**「麻布十番 うどん割烹 ぼけかす」**をグランドオープンしました。
翌26日19時15分にはORICON NEWSも「教科書・教材などの啓林館グループ、飲食事業に進出」として取り上げています。
啓林館グループがこれまで手掛けてきた教育出版とは、一見するとまったく異なる事業です。
HiRAKUは2023年10月に設立され、不動産や教育関連事業とともに飲食事業を展開しています。
大阪の「かすうどん」を東京へ
新店舗の中心となる料理は「かすうどん」です。
ここでいう「かす」は、牛の小腸を油で揚げた大阪・南河内地方などで親しまれてきた食材を指します。
HiRAKUは、このかすうどんと出汁を組み合わせ、一般的なうどん専門店ではなく「うどん割烹」という形で提供します。
店舗は東京都港区麻布十番1-4-8「THE CITY 麻布十番AZUR」の2階で、麻布十番駅から徒歩約1分。
客席数は14席です。
営業時間は17時から翌3時までで、ラストオーダーは翌2時。17時~22時はコースのみ、22時以降はアラカルトを提供するとされています。
定休日は日曜日・水曜日などですが、最新情報は店舗側の案内を確認する必要があります。
「出版から食へ」進出した理由
なぜ教科書出版社のグループが飲食店を始めるのでしょうか。
HiRAKUは、啓林館がこれまで「言葉」を通じて文化を届けてきたのに対し、今度は「食」という体験を通じて文化を届けることを今回の事業の出発点と説明しています。
また、飲食店を単独で展開するだけではなく、食と教育をつなぐ取り組みも進めています。
公式発表では、子どもの農業分野での就業機会や独立を支援する福岡のイチゴ農園からの仕入れ、新潟県魚沼で子どもたちが米作りに取り組むNPOとの協働なども紹介されています。
ここからは筆者の考察ですが、出版社がまったく異なる業界へ参入するニュースとして興味深い事例です。
人口減少やデジタル教材の普及などによって出版市場を取り巻く環境が変化する中、企業が自社の理念やブランドを別分野へ広げる動きの一つとして見ることもできます。
将来は海外展開も視野
HiRAKUは今回の店舗について、1店舗目の成功を土台に、将来的にはかすうどん文化を広める専門店の展開や海外出店も視野に入れているとしています。
ただし、具体的な2号店の場所や海外進出時期は現時点では発表されていません。
まずは麻布十番の1店舗目がどのように受け入れられるのかがポイントとなります。
長年「教育」で知られてきた啓林館グループが、今度は大阪の食文化を東京から発信するという異色の新事業。今後ほかの出版社や教育企業が異業種へ展開する際の事例としても注目されそうです。
参考情報:
・株式会社HiRAKU「創業80年の教科書出版社が飲食業へ 『麻布十番 うどん割烹 ぼけかす』を8月25日グランドオープン」
・ORICON NEWS「教科書・教材などの啓林館グループ、飲食事業に進出 場所は『麻布十番』」
・株式会社HiRAKU「会社概要・事業紹介」