かつて国民的スターとして、テレビの最前線で活躍していた中居正広氏(52)。その突然の芸能界引退に、多くのファンが「なぜ?」と動揺したのは記憶に新しいところです。
しかし、その裏側には“BBQ”という何気ない一言から始まった、きわめて深刻な女性トラブルがあったことが、ついに明らかになりました。
2025年3月31日、都内のフジテレビ本社にて開かれた第三者委員会の会見で、その全貌が白日のもとにさらされたのです。
BBQの誘いが引き金に──軽いノリが生んだ「重たい結末」
2023年5月28日。
天気の悪化でゴルフが中止になった中居氏は、代わりに“BBQの会”を開くことを決定。そこで彼が送ったのが、フジテレビ社員B氏への次の一言でした。
「男同士じゃつまらんね。女性いるかなね。一般はさすがにね。となり、フシアナ誰か来れるかなぁ。」
この一言が、全ての始まりでした。
実際にB氏がフジの女性アナウンサーA氏を手配し、BBQ後は3人で寿司店に移動。その席で中居氏とA氏は連絡先を交換します。
“断れなかった”若手アナ──沈黙を強いられた立場
その2日後、中居氏からA氏に送られたメッセージは、「今晩、ご飯どうですか?」というもの。
A氏はこの誘いに迷いながらも応じる形で返事をし、やがて“2人きり”になる可能性が浮上する中、「さすがに2人だけだとね。どうしましょ」とやり取りは曖昧なまま進行。
A氏は後にこう語っています。
「断ったら仕事に影響が出るのではないかと不安だった。みんなが中居氏にペコペコしているのを見ていたから、逆らえなかった。」
これは単なる個人間の問題ではありません。
“力のある芸能人”と“若手局員”という立場の差が、言葉には出せない圧力を生んでいたのです。
心身を壊した末の「相談」──それでも口外は望まれず
その後、A氏は精神的に追い詰められ、フジテレビの産業医やアナウンス室長に相談。
一方、中居氏はB氏らに「内々で済ませたい」と伝え、事態の公表を避けようとする動きに。
そして、女性が入院したことを知った中居氏は、100万円の見舞金を“贈与税のかからない範囲で”届けようと画策します。
しかし、女性は「第三者を介した誠実なやりとりが必要」として拒否。結局、その封筒は病院で中身を確認され、返却されることになりました。
「沈黙の空気」を見過ごすな──これは芸能界だけの問題ではない
中居氏の行動がどこまで“悪意”によるものだったのかは、見る側によって解釈が分かれるでしょう。
しかし、もっと大きな問題は、こうした状況を誰も止められなかった「空気」にあります。
・断れない上下関係
・忖度に満ちた社内文化
・“有名人だから”という特別扱い
この事件は、芸能界という華やかな舞台の裏で、ひとりの若い女性が「声を上げられなかった」構造を浮き彫りにしました。
終わりに:沈黙の美徳ではなく、声をあげる勇気を
私たちが今問うべきなのは、“誰が悪いか”ではなく、“誰も止めなかったのはなぜか”です。
中居氏が芸能界から去った今、残された問題は「同じことがまた起こらないようにすること」。
そして、それは芸能界に限らず、あらゆる職場・組織に通じる課題でもあるのではないでしょうか。