最近、「サイレントパンデミック」という言葉が注目されています。これは、私たちが気付かない間に薬剤耐性菌の感染が広がっている現状を指しています。この脅威について、そして私たちがどのように対処できるのかを考えてみましょう。
薬剤耐性菌とは?
薬剤耐性菌とは、抗菌薬(抗生物質)が効かない菌のことです。福井大学の酒巻一平教授は、「抗菌薬を使いすぎていることが原因」と指摘しています。抗菌薬は「菌」を退治するための薬ですが、これを過剰に使用すると、耐性を持った菌が増殖し、抗菌薬が効かなくなるという問題が生じます。
薬剤耐性菌の恐ろしい未来
2019年には、薬剤耐性菌による年間の死者数が全世界で約127万人とされています。さらに、2050年にはこの数字が1000万人に達すると予測されています。これは、現在850万人とされるがんによる死者数を上回る恐ろしい予測です。
政府と地域の取り組み
日本政府は2016年から2020年にかけて「薬剤耐性対策アクションプラン」を実施し、抗菌薬の使用量を3分の2に減らすことを目標としました。この取り組みは現在も続いており、福井県では「福井感染制御ネットワークFICネット」がイベントを通じて抗菌薬の正しい使用方法を啓発しています。
私たちにできること
では、私たち一人一人がどのようにして薬剤耐性菌の拡大を防ぐことができるのでしょうか?
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抗菌薬の正しい使用:医師から処方された抗菌薬は、指示された通りに正しく服用しましょう。自己判断で服用を中断したり、他の病気に使ったりしないことが重要です。
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抗菌薬を求めすぎない:風邪や軽い感染症には抗菌薬が必要ない場合が多いです。医師に抗菌薬を過剰に求めないようにしましょう。
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医療機関との協力:医療機関では抗菌薬の適正使用を推進しています。私たちもその取り組みに協力し、医師の指示に従うことが大切です。
まとめ
薬剤耐性菌の拡大は、私たちの健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。政府や地域の取り組みだけでなく、私たち一人一人が抗菌薬の正しい使用方法を理解し、実践することが重要です。薬剤耐性菌の脅威に対処するために、皆で協力して対策を進めていきましょう。
薬の正しい使い方や薬剤耐性菌に関する情報を共有し、未来の健康を守るために一緒に取り組んでいきましょう。あなたの意見や体験も、ぜひコメントで教えてください!