ある春の日、陽気な風が吹き抜ける街中で、少年・健太はひとつの奇跡に出会った。
彼は通学途中、偶然道端に転がっていたスーパーボールを拾ったのだ。
その瞬間、健太の運命は大きく動き始める。
その日から健太は、拾ったスーパーボールを大事に持ち歩くようになった。
そしてある日、放課後の教室で、スーパーボールを弾ませると、そこには綺麗な髪をなびかせる少女・美優が現れた。
彼女はスーパーボールの持ち主だと告げた。
「これ、私のスーパーボールなんだ。ずっと探してたの。ありがとう」
美優は健太に感謝の言葉を告げ、笑顔でスーパーボールを受け取った。
彼女の笑顔に触れた瞬間、健太は心の奥底から美優に惹かれていくことを感じた。
次の日、健太は美優に声をかける勇気を振り絞った。
「ねえ、美優。これからも一緒にスーパーボールを弾ませたり、お話ししたりしてもいいかな?」
美優は驚いた顔をして、そして嬉しそうに笑った。
「うん、いいよ。私も楽しそうだと思ったから」
それから、二人は放課後や休日に、スーパーボールを弾ませながら、楽しい時間を過ごすようになった。
スーパーボールは二人の距離を縮める魔法のようだった。
そして次第に、二人の心は互いに惹かれあっていった。
ある日、美優が健太に打ち明けた。
「実は、このスーパーボールは私が亡くなったおばあちゃんからもらったものなの。だから大切なんだ」
健太は美優の心情を理解し、彼女と共にスーパーボールを大切にしようと決めた。
そして二人は、亡きおばあちゃんに感謝の気持ちを込めて、スーパーボールに願い事をした。
「おばあちゃん、このスーパーボールに込められた魔法で、僕たちがいつまでも一緒にいられますように。」
その願いが届いたかのように、健太と美優の絆は深まっていった。
そして、ある晴れた日、健太は美優に告白した。
「美優、僕は君が大好きだ。これからもずっと一緒にいたい。付き合ってくれるかな?」
美優は驚いた顔をしたが、その後、照れくさそうに笑った。
「私も健太のことが好き。ずっと一緒にいたいよ。付き合おうね」
二人は公園で、おばあちゃんから受け継いだスーパーボールを弾ませながら、初めてのキスを交わした。
その瞬間、二人の心はひとつになった。
そして、時が経ち、健太と美優は高校生になった。
二人の恋は薄れることなく、むしろより強くなっていた。
あの時偶然拾ったスーパーボールが紡いだ恋は、今でも二人のシンボルとして存在し続けていたのだった。