小説の書き綴り

短編小説、雑学、ニュース記事などを雑記に書き綴ります。

秋の芋畑

 

 

 

 

 

今週のお題「芋」

秋の日差しの中、小さな町のはずれに広がる芋畑で、物語は始まる。
さやかは、都会の喧騒から離れ、祖父母の運営する畑での生活に慣れ始めていた。
彼女の隣に住むのは、幼いころからの親友である健太。
彼もまた、この田舎の生活を愛していた。

秋は収穫の季節。
二人は畑で一緒に働くうちに、子供の頃の思い出を共有し、時には互いに支え合いながら、芋掘りに勤しんだ。
土の中から掘り出される一つ一つの芋が、二人の距離を縮めていった。

「ねえ、健太。この芋、ハート形じゃない?」
さやかの手には、不思議と心形に似た芋が握られていた。
健太は笑いながら、それを見つめた。
「確かに。まるで、さやかの気持ちを表してるみたいだね。」

ある日、さやかは健太に秘密のことを打ち明けた。
都会に戻ることになったこと、そして、この田舎と、健太のことが忘れられないこと。
健太は少し驚いた後、優しい眼差しでさやかを見つめた。
「さやか、僕も同じだよ。この畑で一緒にいる時間が、僕にとって一番大切なんだ。」

二人は黙ってお互いの手を握り、沈む夕日を見つめた。
その日の夕食には、二人が掘り出した芋を使った料理が並んだ。
さやかの心形の芋も、丁寧に調理され、テーブルの上に鎮座していた。

食事を終えた後、健太はさやかにプレゼントを渡した。
それは、芋の形をした小さな木彫りのアクセサリーだった。
「さやか、これからも一緒にいよう。都会に帰ったって、僕らの心は、この芋畑で繋がってるから。」

さやかの目には涙が溢れた。
彼女は健太に抱きつき、二人の未来を誓った。
芋畑で育まれた愛は、たとえ距離が離れても変わることはなかった。

田舎の小さな畑で育った芋のように、二人の愛もまた、シンプルでありながら深く、変わることのないものだった。
秋の日差しの下、新たな一歩を踏み出した二人の物語は、芋畑の中で永遠に続いていく。